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特別展「家族の肖像 引き裂かれた絆」を見学して

2022/08/08

 〝家族の絆〟を一瞬にして奪った原子爆弾――。  「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」では、開館20周年を記念する特別展「家族の肖像 引き裂かれた絆」が開催中です(8月31日まで)。

「平和祈念・死没者追悼空間」(地下2階)の壁に、ちりばめられた200枚もの家族写真。空間の中心には、被爆した午前8時15分を示すモニュメントが置かれ、壁面上部には、爆心地から見た被爆直後の広島の街並みがパノラマ写真として描かれています。


「なぜ私たちなの?」「わが子はどこ?」――。こちらを見つめる一人一人のまなざしは、全てを一瞬にして奪った原爆の不条理と、平和の尊さを訴えているように思えてなりません。 

被爆者の平均年齢は84・53歳。初めて12万人を下回りました。悲惨な記憶を風化させないためには、被爆者の「言葉」を残していくしかありません。

地下1階の体験記閲覧室では、被爆体験記14万8,000件の閲覧が可能です。体験記をはじめ、追悼文として家族が書いたもの、話を聞いて書き起こしたもの、市販の書籍の中に載っている体験記などさまざまです。 

平和記念資料館の北側に位置する「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」(広島市中区中島1-6)。https://www.hiro-tsuitokinenkan.go.jp/

  今夏、ぜひとも家族で展示を見学し、写真や多くの言葉から、平和への思いを感じていただけたらと思います。(美)

原爆死没者慰霊碑に献花し、平和への祈りを込める青年部・未来部の代表(7月24日)