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原爆ドーム世界遺産登録から25年

2021/12/07

  

12月7日、原爆ドームがユネスコの世界文化遺産に登録されてより25年を迎え、原爆ドーム前には12の平和団体が集まり、記念の集会が行われました。

原爆ドームは、広島県産業奨励館として、1915年に建設。当時としては珍しい、大胆なヨーロッパ風の建築デザインによる建物で、広島名所の一つとして知られていました。

1945年8月6日、原爆は同館の600メートルの位置で炸裂し、激しい爆風と熱線を浴びて全焼。当時この建物にいた職員は全員即死しました。

戦後、一部の鉄骨や壁が残った原爆ドームは危険建造物であり、被爆の悲惨な思い出にもつながることから、取り壊しを望む声もありましたが、原爆の恐ろしさを伝えるため、保存を望む声が広がっていきました。

1992年9月、日本が世界遺産条約に加盟したことを契機として、原爆ドームの世界遺産登録への市民の声が高まり、広島市は世界遺産化に向けた要望書を提出しました。しかし、国は、「原爆ドームは国内法(文化財保護法)の保護を受けていないので、世界遺産に推薦する要件を備えていない」という見解を示していました。

こうした中、世界遺産登録を目指して1993年に署名活動が始まり、集まった約164万筆を国に提出するなど、地域をあげて運動を行った結果、1995年6月に原爆ドームを史跡に指定し、その後、国際記念物遺跡会議などの審査を経て、1996年12月7日に原爆ドームの世界遺産登録が決定しました。