
2018年度調査結果
1994年から開始した「学生平和意識調査」。広島市で開催された「94年アジア競技大会」を前に、アジア留学生へ平和調査をおこなったことがきっかけでした。以来、日本人学生へ、中国地方全体へと広げ、被爆73年を迎えた2018年で第23回目を数えました。
調査日:2018年5月1日~6月30日/対象者:中国地方の大学に通う学生/方法:対面式とインターネット入力方式の併用/配布枚数1000枚/回収数943枚(有効回答率94%)/ネット入力262件/性別:男性556名(59%)、女性387名(41%)、計943名/出身地:広島506名(54%)、岡山204名(22%)、山口53名(6%)、鳥取21名(3%)、島根31名(3%)、その他128名(14%)
第2次世界大戦中に、原子爆弾(原爆)が広島、長崎に投下されました。広島、長崎に原爆が投下された日はいつですか。
広島
1945年
8月6日が正答

長崎
1945年
8月9日が正答

- 正答
- 誤答
- 無回答
昨年からは正答率は増加したものの、オバマ元米大統領訪問の2016年(正答率75%)からは、減少傾向が続いています。
あなたは広島や長崎の原爆資料館や死没者祈念館に訪れたことがありますか。

- 両方ある
- 広島だけある
- 長崎だけある
- 両方ともない
全体の91%が原爆資料館を訪れていることが分かります。明年は、広島原爆資料館が全面リニューアルオープンされるため、増加に期待をしたいところです。
あなたは被爆者の被爆体験を直接聞いたことがありますか。

- ある
- あるが記憶にあまりない
- ない
聞いたことがあり記憶にも残っている学生が初めて70%に到達。被爆体験を語って下さる方が少なくなるなか、学生には被爆者の魂の叫びが、確かに届いていると期待したいです。
今後・戦争・紛争で核兵器の使用がありうると思いますか。

- 必ずあると思う
- ありうると思う
- ないと思う
- 絶対にないと思う
昨年度と比較すると、今後の核兵器使用については「必ずある」「ありうると思う」と答えた割合は微減81%でした。「ない」「絶対にない」と答えた割合は近年最高の19%でしたが、核への危機認識は高まっています。「アメリカ政権、北朝鮮を取り巻く環境の影響を懸念している」との声が寄せられました。
(現在地球上に約1万5000発あると言われている)核兵器は廃絶可能と思いますか。
53%の学生が「廃絶は不可能だが軍縮は可能」と回答。学生の過半数は、世界のリーダーに、賢明な核軍縮を求めている実態が浮かび上がりました。
核兵器禁止条約に日本は署名しませんでした。あなたは日本政府の立場を支持しますか。

- 支持する
- 支持しない
- 分からない
「分からない」と答えた人が43%を占めました。その理由として、メディアを通し様々な意見を持っているため、決められない実態が浮かびあがりました。
ICANのノーベル平和賞受賞理由は?

- 北朝鮮をはじめ核兵器使用の可能性が高まった
- 「冷戦思考がない世代」(若者)が先導した
- 核兵器禁止条約を先導した「画期的な努力」
- 約100カ国に及ぶNGOの連合体であった
核兵器禁止条約を先導したことは学生世代に大きな影響を与えたことがわかりました。また組織の構成として国を超えたNGO組織の連合体であることにも注目が集まっていることも伺えます。